韓国の反日政策は中国の革命戦略に利用されている

「特別寄稿」

韓国の反日政策は中国の革命戦略に利用されている

――(中国の革命戦略は愛国運動を利用することにある)――

 

「中国方式による南北統一」

プロレタリアートの階級闘争(革命運動)は全体主義的な愛国運動と対立する。

しかし、中国革命が例証するように、毛沢東は「反日愛国統一戦線」を掲げて蒋介石の国民党と共闘する(第二次「国共合作」、1937年)。その結果、「反日」(抗日民族統一戦線)で共産主義運動が愛国運動として労働者以外の農民や学者・文化人などに受け入れられ、広範な国民的基盤を中国全土に築き上げた。1945年8月に太平洋戦争が終結すると、共産党は蒋介石率いる国民党と再び対立し、闘争を展開する。そして、蒋介石は敗北して台湾に逃亡する結果になるのである。

 

唯物弁証法の発展法則とは、対立物の「統一」は条件的・一時的・経過的・相対的で、「闘争」は絶対的であるというのである。「統一」とは相手を必要とする関係で、「闘争」とは相手を排斥する関係をいう。

 

毛沢東もレーニンを引用し、「矛盾論」で次のように述べている。

「対立物の統一(合致、同一、均衡)は、条件的、一時的、経過的、相対的である。たがいに排斥しあう対立物の闘争は、発展、運動が絶対的であるように、絶対的である。」(毛沢東著『実践論 矛盾論』青木書店、96頁)

 

国民党との「統一」は条件的、一時的なもので、「闘争」が絶対的なのであった。そのごとく毛沢東は実践し、反日愛国運動を利用して中国革命を成功させたのである。蒋介石の立場から見れば、「反日」での共闘は騙されたということになる。

 

同様に、現在中国共産党は、「反日」で韓国の朴槿恵政権と愛国統一戦線を組んでいる。

歴史認識の問題で中国共産党は、「反日」で韓国政府と共通認識を持ち共闘している。

中国共産党から見れば、韓国政府との反日的な歴史認識での「合致」は一時的であって、韓国政府を排斥する闘争が絶対的なのである。

 

韓国と中国の反日愛国統一戦線は、中国方式による韓国共産化の戦略・戦術であることを朴槿恵政権は知らないのである。このまま「反日」で共闘を続けていくと、韓国は蒋介石の国民党と同じ運命になるのであろう。

 

中国主導による改革・開放による南北統一とは、韓国の共産化である。そのために、まず韓半島から日本の影響力を排斥することが必要であり、そのための戦略が歴史認識の問題なのである。それも、戦前の50年ぐらいに局限された歴史であって、日本国民は過去の戦争を深く反省し、戦後70年近くの間、平和国家として、韓国をはじめ中国などアジア諸国の経済発展に貢献してきた。その現在までの歴史認識は無視されるのである。日本の過ちは、「中国の改革・開放路線」は経済において資本主義であるが、哲学において共産主義であることを忘れ、共産主義を一掃しないで経済発展に協力したことにあるのである。その結果、戦闘的な怪物を育ててしまったことにあるのである。

 

「韓国の友好国である日本を敵視する愚行」

中国の戦略に乗せられた韓国の朴槿恵政権の反日愛国運動は、今日では国是となっている。

中国と韓国の日本に対する反日闘争は、偶然のものではない。意識的な共闘である。

 

中国におけるサッカー場での反日、韓国のサッカー場での反日がそうである。サッカー東アジア・カップ男子の日韓戦で、一部の韓国応援団(実は隠れた親中派革命分子)が、「歴史を忘れた民族に未来はない」と書いた横断幕を掲げ、また安重根の大きな垂れ幕をたらし、「反日」愛国運動を韓国で国民的に盛り上げようとしたことなどがそうである。

また、中国は尖閣列島で日本と対立し、韓国は李明博大統領が竹島(独島)に上陸して反日運動を盛り上げるなどをした。

「過去の歴史のみを見て、現在の状況を分析し、未来のビジョンを描かない民族には未来はない」と横断幕に反論したい。

 

さらに、フランスで開幕した、ヨーロッパ最大級のマンガフェスティバルで、韓国からいわゆる「従軍慰安婦」をテーマにした漫画が出品され、韓国の閣僚が現地入りするなどして、アピールを続けている。

民間が開催をし、漫画を通じた国際的な文化交流の促進、相互理解、友好親善の場で、このようなフェスティバルの趣旨にそぐわない状況が発生することは、極めて残念なことである。

キリストは「汝の隣人を愛せよ」と言われたが、反対に、韓国政府は友好的な日本人に憎悪を掻き立てているのである。神の真の愛に反した憎悪は、サタン的である。このような一連の反日運動は亡国への道であるとわれわれは懸念せざるを得ないのである。

 

「共産主義革命に利用される歴史認識」

日本は戦後70年近く、民主主義国家、平和国家として、韓国と友好関係を保持してきた。しかし、韓国は中国と一緒になって過去の歴史認識を主張するが、戦後から現在までの日韓の共同の歴史認識(経済交流、文化交流)を主張しないのは意図的なのであろうか。

 

韓国は、中国が経済で資本主義であるが、哲学において共産主義であることを忘れ、目先の利益を求めて中国と経済交流(部品の輸出)をしようとするが、技術を盗まれるだけでなく、韓国の共産化に財界が利用されるだけである。また、中国との関係を切ることができない経済構造になる。しかも、韓国が頼りにしてきた中国経済は崩壊寸前なのである。円熟した資本主義社会の経済学の知識や経営能力がないからである。

 

韓国の愛国運動を、反日で中国共産党が利用していることに気づかなければならない。愛国運動は、韓国の自主・独立と主体性の確立ではなく、中国の革命戦略に呑み込まれ、中国方式による南北統一であり、韓国の共産化であることに気づかなければならない。日本排除の次は、反米運動に転化していくであろう。周知のように、韓国が共産化されれば、反日運動を推進した朴槿恵政権の政府要人はじめ、多くの文化人や知識人やキリスト教信徒が粛清されるであろう。

 

「日韓米の一体化が平和的な南北統一への道」

勝共理念による日韓米の一体化が平和的な南北統一の基礎である。日本抜きではあり得ない。また、日朝の国交正常化が南北統一の基盤になる。北朝鮮の経済発展に日本が援助することになる。北朝鮮もそれを望んでいる。日本が南北の経済格差を是正することにより、南北統一の基盤ができ、同時に統一後の韓国国民の経済負担がなくなるのである。日本の経済的協力は南北統一に不可欠である。

 

「南北統一は文鮮明師の平和思想を抜きにしてあり得ない」

共産主義思想問題を解決することなしに、経済交流をすることは、中国を見れば分かるように、北に戦闘的な怪物(軍事的超大国)をつくることになる。共産主義の問題を平和的に解決できるのは「勝共理論」以外にないであろう。既存のヘーゲルやカントなどを利用した反共理論では不可能である。

1960年から1980年までの日本における共産主義運動を消滅させたのは、文鮮明師の提唱によって、1968年に日本で創立された「国際勝共連合」の運動である。その運動の理念は、「統一原理」(『原理講論』)を基盤とした「勝共理論」である。

韓国政府と日本政府は、この国際勝共連合の歴史的運動を認識すべきである。この勝共運動がなかったならば、日本は共産化されていた。日本が共産化されればアメリカはアジアから撤退し、韓国も共産化される。その悪夢を一掃したのが、文鮮明師の平和思想(勝共理論)なのである。ところが、韓国も日本も文鮮明師抜きで南北統一をしようとしているのである。しかし、それは不可能である。

韓半島の平和的統一は、文鮮明師の平和思想である「統一原理」と「勝共理論」抜きにしてあり得ないというのである。

 

「拉致問題解決のために日朝国交正常化をすべきである」

拉致問題は日朝国交正常化した後で、より促進でき、解決することができるのではないか。日朝国交正常化を阻止する手段として拉致問題を掲げ、政治的に利用しない方がよいのではないだろうか。

 

「核問題」について

北朝鮮の核武装は、防衛的なものである。

北朝鮮の核武装は、米国や中国から戦争を仕掛けられないようにするためである。核武装している北朝鮮に、米国はイラクのように戦争を仕掛けることはできない。同様に中国もベトナムに侵攻したように、北朝鮮に軍事的に介入することができなくなったのである。

 

南北統一する時、あるいはそれ以後においても、中国が軍事介入する可能性がある。核兵器はそれを思いとどまらせる。核兵器による反撃は、北京の消滅であるからである。中国はそれを恐れている。

 

「粛清」について

北朝鮮と中国の問題に関する、次のようなNHKの報道がある。

「中国の対北朝鮮政策のブレーンである北京大学の朱鋒教授は『中国は怒りと絶望感を抱いた。北朝鮮が孤立し閉鎖的になることを懸念している』という。中国は北朝鮮の非核化から改革開放へ導く道筋を描いており、北朝鮮側のキーパーソンが張成沢だったからだ。張が2012年8月に訪中した時、国賓待遇で当時の胡錦涛主席が会談したほどだった。

張は昨年2月の3回目の核実験にも反対した。中国から経済援助を引き出したかったからだ。今回の粛清(注:張成沢の粛正)はこれを反逆(注:国家転覆の陰謀)とした。北朝鮮の指導部内では、中国に従う必要はないという意見が強まっていたのだ」(2014年1月9日放送、NHKクローズアップ現代「北朝鮮はどこへ~見えてきた粛正の真相~」)と。

 

「中国は怒りと絶望感を抱いた」とは、中国方式による南北統一が流産したからである。今度は日本の出番である。最後のチャンスであるかもしれない。北朝鮮は八方ふさがりで、孤立化している。北朝鮮の周辺諸国が〝逃げ道〟なく連携して経済的に追いつめると、金正恩は死なばもろともと最後にソウルと東京と北京に核ミサイルを撃ち込むかもしれない。孤立化させる経済制裁は賢明な策ではない。

孫子の兵法には、逃げ道を一カ所作っておくべきであるという。したがって、もし日本が北朝鮮と国交正常化をすれば、平和的に南北統一ができる。その最後のチャンスが〝今来た〟というのである。その基盤は言うまでもなく、日韓米の一体化と文鮮明師の平和思想である。言い換えると、アメリカの仲介による平和的な南北統一である。韓半島(朝鮮半島)の統一と日本の一体化は2億の人口を持つ二つの優秀な民族となる。中国に負けはしない。

 

「北東アジアの平和は世界の平和への道」

現在、中国は貧富の格差が拡大し、人間は疎外され、民族問題を抱え、官僚の汚職は蔓延し、経済構造の内部矛盾で崩壊寸前なのである。これを救済し、新生中国に生れ変わらせるのも、文鮮明師の平和思想であることは言うまでもないことである。

 

文鮮明師の思想による解決、すなわち、民族や人種の壁、宗教の壁、国境の壁を撤廃し、「神様の下における人類一家族」を実現するという理念によって、中国の軍事的脅威を解消し、尖閣列島問題や竹島(独島)問題を平和的に解決することができるのである。

北東アジアの平和は、世界の平和への道である。

 



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