すべての思想と哲学を統一し、世界平和を実現する統一理論
（一）「戦後の米ソ二大陣営の対立」（アベルとカインの「分立の法則」）
第二次世界大戦以降、世界はアメリカを中心とする資本主義陣営と、ソ連を中心とする共産主義陣営の二大陣営に分かれ、ソ連は社会主義の計画経済の優位を宣伝した。
1957年10月4日、ソ連が世界初の人工衛星を成功させたとき、西側諸国にスプートニク・ショックを引き起こした。さらに、1961年4月12日、ボストーク1号で世界初の有人宇宙飛行を成功させたときには、まさしく東風が西風を圧するかに見えた。ソ連の宇宙飛行士ガガーリンは、「ここに神は見当たらない」「地球は青かった」と言った。
1969年7月20日、人類史上初の月面着陸に成功したアメリカのアポロ11号のアームストロング船長は、「まずは神に感謝する。地球は青くサファイアのように美しかった」と言った。
このように、神側に立つアベルとサタン側に立つカインの二大陣営は、「思想」（世界観・人生観）、「政治」（政治理念）、経済、科学、軍事力、芸術、文化、スポーツなど、ありとあらゆる分野で優劣を競い合った。
ヨーロッパにおいて、西側の資本主義諸国は「NATO」(北大西洋条約機構)、東側の社会主義諸国は「ワルシャワ条約機構」（WTO）で同盟を結び、軍事力以外でも激しく競い合うといった冷戦（cold war）状態が続いた。しかし、アジアは熱戦であった。韓国動乱、ベトナム戦争と、米ソ二大陣営の代理戦争が行われた。
（二）「アダム家庭」の原理から見た「アジア情勢」
世界はアダム家庭の展開型である。すなわち、アダムとエバと天使長の概念から見たときに、戦後の東アジア情勢を次のように見ることができる。
神側のアダム国家は韓国、エバ国家は日本、天使長国家はアメリカである。そして、サタン側のアダム国家は北朝鮮、エバ国家は中国、天使長国家はソ連である。
冷戦構造と同様に、戦後のアジアも二大陣営に分かれているのである。
特に注視すべきことは次の点である。一人のエバを５人の男が狙っている。エバとは、日本のことである。文鮮明師は「日本は裸で寝ている美女である」と語られ、その無防備に対して警告された。
日米安全保障条約と米韓相互防衛条約（1951年）は、天使長（アメリカ）がアダムとエバを保護している状態である。そして、日韓基本条約（1965年6月22日）は、韓国（アダム）と日本（エバ）の結婚を意味する。
アダムとエバが結婚すれば問題はない。イエス様も結婚すれば十字架にかからなかった。結婚すればサタンが侵入できないからである。サタンは一時離れる。しかし、また侵入する機会を狙っている
戦後、共産党と社会党を中心とする革新勢力（左翼勢力）は、常に日米安保に反対し、日韓基本条約の締結にも激しく反対運動を展開してきた。
これに対し、1968年に文鮮明師の指示によって誕生した国際勝共連合は、日本政府と国民に対して、日韓米の一体化を主張し、日韓は運命共同体であると訴えた。カーター大統領（1977年1月～1981年1月）は、韓国が第二のベトナム化になるのを恐れて在韓米軍を撤退しようとした。
勝共連合と親交のあった福田首相（1976年12月～1977年11月）は、カーター大統領が韓国問題で直接打診してきた時に、「日韓は運命共同体である」と言って、カーター大統領の意思を思いとどまらせた。
アベル側の成功事例：「レーガン大統領（アメリカ）の対ソ戦略」
ベトナム戦争反対運動でアメリカが危機に陥ったとき、文鮮明師はレーガン大統領の当選にむけて多くを投入され、さらに、ワシントン・タイムズ紙を通じてSDI構想を頂点とする戦略決定に大きな貢献をされた。結果的に、サタン側であり、カイン圏の代表国であるソ連を屈服させ、共産主義からソ連国民を解放し、核戦争の脅威から世界を救った。
この事例は、内的な精神の強さに基づいた外的強さを提示することによって、アメリカを共産化しようとするサタンの攻撃と侵略を防ぎ、世界平和の実現を速めたものであると言えよう。ゴルバチョフ元大統領は、後日、韓国の韓南洞公館の文鮮明師を訪問して、ソ連が共産主義を放棄したのは文先生のアドバイスのおかげだと感謝の意を表した。
（三）「父の国（韓国）と母の国（日本）」
「カイン・アベル」と「アダムとエバと天使長」という国際関係を摂理的に分析する関係概念を勝利し、発展していけば「父母」という概念が出てくる。
文鮮明師は「韓国は父の国、日本は母の国である」と宣言された。
エバ国家である日本は、アベルである韓国の経済発展を援助した。戦後「春窮農民」と言われていた韓国は「圧縮型発展」（10年で経済発展した）と言われ、近代化の基礎条件のない国が、いかにして近代化に成功したか、その「加工貿易型構造」による経済発展のモデル国家となった。「加工貿易型構造」とは、先進国から輸入した部品と中間製品を同じく先進国から輸入した機械設備で組立・加工し、出来上がった最終製品を海外に輸出する構造のことをいう。
また、日本はタマルのように胎中に双子（ペレヅとゼラ）である民団と朝鮮総連を宿している。文鮮明師は「日本は民団と朝鮮総連を教育して一つにしなければならない」と日本に指示された。原理教育と真の愛によって民団と朝鮮総連を一つにすることができれば、韓半島における南北の平和統一のモデルとなると言われた。
母（日本）はカインとアベルの対立に対し、アベルを母子協助して彼らを一つにしなければならない。民団と朝鮮総連を教育して一つにすることが母子協助なのである。
ちなみに、東西ドイツは統一されたが、現実の自由主義社会に貧富の格差があり、労働者が疎外されている。それで東ドイツの人たちは、共産主義思想は間違っていたことを認めるが、共産主義思想にかわる思想がないために共産主義思想を捨てきれないでいる。
したがって、東西問題は、まだ本質的には解決していないといえる。この共産主義思想にかわる思想とは、「勝共理論」なのである。
（四）最終章：「神様のみ旨から見た環太平洋時代の史観」（平和メッセージ13、16）
―アメリカを中心とするUNと自由世界の方向―
「アダム家庭」の原理から見たとき、中国は悪の天使長である。悪の天使長はエバを通じてアダムをダメにし、世界を支配しようとする。したがって、現在のアジア情勢を見たときに、世界共産化のパターンができつつあると言えよう。
現在、中国は軍事力を増強している。そのために、日韓が一体化し、アメリカをアジアに引きつけて、防衛ラインを強化しなければならない。そして、島嶼国家も一つに団結しなければならない。
「赤道を中心におき、南北に散在している太洋圏の小さな島嶼国はもちろん、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、ソロモン諸島、オーストラリア、ニュージーランドなど、すべての国家が、一つの国のように協約を結んで連合圏を広げ、人類の平和と安定を保障してくれる環太平洋文明圏を守らなければなりません」（『平和神経』平和メッセージ13、278ページ）
文鮮明師の思想を中心として「南北統一」がなされたならば、中国は孤立する。そして、悪の天使長を善の天使長に生み変え、善の天使長を善なる子女に生み変えるのである。これが「重生」の摂理であり、悪の天使長である中国を新生中国にする道である。
言い換えると、統一理論によって中国国民を平和的に共産主義から解放する道である。文鮮明師の思想によって、中国の軍事的脅威を平和的に解決し、また、竹島問題と尖閣列島問題も平和的に解決することができるのである。
このような理念とビジョンを、文鮮明師は提示されているのである。
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